【体験談】再発から立ち直るまで〜統合失調症と向き直った私の記録〜
【はじめに】
私は現在、統合失調症とともに生きながら、福祉の支援を受けて生活しています。この記事では「再発」をけいけんした私自身の体験を通じて、同じように悩んでいる方の力になれたらと思い、書いています。
【病気の始まりは高校三年生の冬】
発症のきっかけは、高校三年生の卒業直前でした。中学時代のいじめが心の奥に残り続けていたことが原因だったと思います。実は母親も統合失調症で服薬しており、私自身もどこかで「もしかしたら…」と感じていましたが、認めたくない気持ちも強くありました。
【就職と転職の繰り返し】
一時は薬を飲みながら症状も安定し、就職もできました。でも、環境や人間関係が合わず、転職を何度も繰り返すことになりました。「次こそは」と思う反面、どこかで焦りや慢心があり、自己判断で服薬をやめてしまったのです。
【再発、そして長期入院】
服薬を中止して数か月はもちこたえたものの、だんだんと幻聴や不安が再発。自分でもコントロールできず、長期入院に至りました。
【退院後に福祉の支援で安定へ】
退院後は訪問看護や就労支援、グループホームでの生活支援などを活用。少しづつ生活のリズムが戻り、再発を防ぐ環境が整っていきました。
【病気のかたちはひとそれぞれ〜「同じ診断名でも全く違う」〜】
統合失調症といっても、人によって本当にさまざまだと実感しています。
・障がい者雇用で安定して働いている人
・一般雇用でフルタイム勤務している人
・働くのが難しく、福祉サービスで生活している人
・通院だけでほぼ自立している人
同じ病名でも、症状の出方も支援の受け方も、まったく違うのです。
【だけど、受け入れるのが難しいこともある】
「人それぞれ」と頭ではわかっていても、いざそれが自分自身のことだったり、身近な家族のことだったりすると、簡単に受け入れられないこともある…それも、すごく自然なことだと思います。
「どうして自分だけが…」
「なぜうちの子が…」
「普通に働いている人もいるのに、なんでじぶんにはできないんだろう」
そう思ってしまうことも、私自身、何度もありました。でも、無理に納得しようとしなくていいんです。時間がかかっても、少しずつ「今の自分」と折り合いをつけていくことで、気持ちは少しずつ楽になっていきます。
【支援も”その人に合ったかたち”でいい】
私自身、支援を受けることで生活が安定しましたが、「支援はいらない」というひともいます。
それでいいと思います。
大切なのは:「自分に合った支援を、自分のペースで受けること」
比べる必要はありません。自分にとって必要なものを、必要なだけ使えばいい。支援は、「弱さ」ではなく「自分を大切にするための道具」なのです。
【私が再発予防のために続けていること】
・薬は自己判断でやめずに服薬を継続
・支援者や医師に、ちょっとした不調でも相談
・規則正しい生活(睡眠・食事・運動)
・「また来るかも」という再発のサインを自分で記録・意識する
【最後に】
もし今、うまくいかずに落ち込んでいたとしても、それは「あなたが悪い」わけではありません。病気にも、支援の形にも個体差がある。あなたに合う支援や働き方がきっとあります。
焦らず、比べず、自分の道を歩んでいきましょう。そして「支援を受けながら生きること」に自信をもって大丈夫です。